最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)615 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人矢田堀兵二の上告理由一点について。
原判決及びその引用する第一審判決の認定によれば、本件宅地は、訴外Dから買
戻により上告人にその所有権が移転し、かつ上告人から贈与により訴外Eにその所
有権が移転したものであることが明らかである。而して右Eの所有権取得登記の登
記原因が事実に符合しなかつたとしても、その取得登記は当時における実体的権利
関係に合致していたことが明らかであるから、右登記は有効と解すべく、原判決は
結局正当であつて所論は採用し難い。
同二点について。
原判決の引用する第一審判決によれば、上告人において、Dから本件宅地を買戻
した上は訴外Eに贈与する旨の意思を表示したこと及び上告人は右宅地を買戻した
後右Eに対しこれを贈与した事実を認定していることが判文上明白である。又、本
件において上告人は民法五五〇条による贈与の取消を主張しているものでないから、
本件贈与が書面によるものかどうか、また贈与の履行が終つたかどうかは本件にお
いてなんら判断の必要はない、所論引用の大審院判例は本件に適切でない。論旨は
理由がない。
同三点について。
原審は、所論の如き売買による所有権移転登記の事実をもつて、直ちに所論贈与
の事実を認定したものではなく、原判決及びその引用する第一審判決挙示の証拠に
より右贈与の事実を認定しているのである。従つて原判決には所論のような違法は
ない。
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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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